こころの健康よろず相談のお知らせ

10月22日(日)10時から15時30分まで、広島県精神神経科診療所協会主催の相談会が行われます。

詳細は下記をご参照ください。

県内のクリニックに所属する精神科専門医が無料で相談に応じます。

対面相談、電話相談ともに予約は不要です。

匿名での相談、ご家族のみの相談なども可能です。

ぜひお気軽にご相談ください。

対面相談の会場はアクア広島センター街8階の広島市消費生活センター(広島会場)とローズアリーナ(福山会場)です。

電話はつながりにくい場合がありますが、ご了承ください。


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新規ADHD治療薬「インチュニブ」

ADHD(注意欠陥多動性障害)に対する新しい治療薬が発売され、当院でも処方を開始しました。

ADHDは不注意や多動性、衝動性を特徴とする発達障害の一つで、今まで「コンサータ」と「ストラテラ」の2種類の治療薬が使われてきました。

インチュニブは脳の中の前頭前皮質という場所で減弱しているシグナル伝達を増強するという新しいメカニズムで、不注意と多動性、衝動性の両方の症状を改善させると考えられています。

従来の薬で症状の改善が不十分な方や、副作用などで従来の薬が使用できなかった方にも効果が期待されます。
お困りの方はご相談ください。

ただし、現時点では小児期(6歳以上18歳未満)の方にしか処方できません(18歳未満でインチュニブを開始すれば、18歳を超えても継続処方することができます)。また発売後1年経過するまでは、1回に処方できるのは2週間分までとなります。コンサータやストラテラは18歳以上の方への処方は可能です。

高齢者不眠診療の治療戦略

福山市民病院精神科・精神腫瘍科 平 俊浩先生の講演を聴講してきました。

不眠に対して「まず睡眠薬」でないのはもちろんことですが、
特に高齢者の不眠に対する「適切な薬物療法」について学ばせていただきました。

従来から使用されている睡眠薬(「ベンゾジアゼピン系」と呼ばれるもの)は、
特に高齢者においては、せん妄(強い寝ぼけのような状態になる特殊な意識障害)や転倒の原因になることがあります。
とは言え、不眠を放っておくことは高血圧やうつ病など、様々な病気のリスクになることが知られているため、生活習慣や睡眠環境を適切に整えても眠れない状態が続き、日中の活動にも影響を与えるような場合は、薬による治療を検討する必要があります。

最近はメラトニンやオレキシンなどといった部位に働きかける、新しい作用メカニズムの睡眠薬が発売されています。
これらの薬は上述のせん妄に対して、むしろ治療的に働いたり、
転倒を起こしにくい(少なくとも転倒を増やさない)と言われています。

今は元気な高齢者であっても、将来的に身体疾患などでせん妄や転倒を起こしやすい状態になる可能性はあります。
そういった将来のリスクも見越した上で、これらの薬を上手に使用していくことが大切であるというお話が印象に残りました。

それにしても平先生は講演がとても上手。
初めてお話を伺いましたが、非常に分かりやすかったです。
自分が講演する際にも、平先生のようにできればいいなと思いました。

山脇成人教授退任記念シンポジウム

広島大学精神科の山脇成人教授退任記念シンポジウムおよび祝賀会に出席して参りました。

山脇先生は1990年、36歳の若さで広島大学精神科の教授に就任(これは全国でもいまだに破られていない最年少記録だそうです)され、以後27年間の長きに渡り、多くの学生や精神科医(私もそのうちの一人ですが)の指導や各種国際学会の主催、最先端の研究などに従事してこられました。

シンポジウムでは「感性脳科学の産学共創イノベーションによる未来社会創造への挑戦 ~うつ病医療からワクワクするモノづくりまで~」とのタイトルで、共同研究をしている先生方や山脇先生とつながりの深い国内外の先生方による、これまでの研究成果や今後の展望についての講演がありました。正直私には難しすぎる内容もありましたが、広島で行われている最先端の研究の一部を垣間見ることができ、大変刺激的な機会となりました。

当院も平成23年度から平成27年度まで行われた脳科学研究推進戦略プログラム(通称 脳プロ)で、微力ながら広島うつ病研究に協力させていただきました。今後広島大学の特任教授、名誉教授に就任される山脇先生に引き続きご指導いただき、また研究に参加させていただける機会があればと思っています。新しい治療法や診断法の開発のため、当院に通院されている患者様にご協力いただくことがあるかもしれませんが、その際にはよろしくお願いいたします。

祝賀会は、同門の多くの精神科医のみならず、ウィーン大学精神科のKasper教授や国内の多くの他大学の精神科教授方、広島大学の他科の教授方、県内の主要病院の院長先生方から、山脇先生の学生時代のご友人や恩師の方々まで総勢約400名が参加し、盛会に終わりました。

統合失調症の薬物療法における今日的課題

吉備国際大学教授 森信 繁先生の講演を聴講してきました。

森信先生は前 高知大学医学部の教授でもあられますが、
私が広島大学を卒業して精神科医になった時の広島大学精神科の准教授でもあり、
研修医の時に薬の使い方などを一から教えていただいた先生です。
今でもその時の講義のノートは取ってあり、時々眺めて診療のヒントにすることがあります。
この度は、久しぶりに森信先生のお話を広島で聞くことができるということで、
多くの同門の先生が参加されていました。

今回の講演は、統合失調症の薬物療法における今日的課題についての内容でした。
統合失調症の治療薬としては、
「シクレスト」という新薬や、
「エビリファイ」や「ゼプリオン」など4週間に1回注射すればよいタイプの薬などが注目されています。

統合失調症では長期にわたって薬を使っていかなければいけないことが多いため、
長期的な視点で安全に薬を使用していくために、
どのような点に注意しなければいけないのかなどを学ぶことができました。

当院でも既存の薬で効果が不十分な方や、薬の副作用でお困りの方など、
上記の新薬や注射薬を導入しています。
気になる方は、診察の際に是非ご相談ください。
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