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「ジプレキサ」躁うつ病のうつ症状に適応追加

抗精神病薬「ジプレキサ」について、
日本で初めて双極性障害(いわゆる躁うつ病)におけるうつ症状の改善への効果が承認されました。
当院でも双極性障害に対するジプレキサの使用方法などについて勉強会を行いました。

ジプレキサは日本では平成13年より統合失調症の治療薬として汎用されていました。
平成22年には双極性障害における躁症状の改善についても承認されました。
今回の承認で、日本で初めて「躁」と「うつ」の両症状に適応となります。

双極性障害は躁状態とうつ状態を繰り返す病気で、
うつ状態のみを呈するいわゆるうつ病と混同されやすかったり、
患者さんご本人のみでなく、ご家族や社会にも大きな影響を及ぼします。
また自殺の危険が高いことも知られています。

「躁」にも「うつ」にも有効なジプレキサは、
双極性障害の治療において非常に大きな武器となることが期待されます。

双極性障害と診断され治療を受けるも、気分がなかなか安定しない方、
あるいはうつ病として治療されているが、今までに軽くても躁状態になったことがある方は、
(特に10代、20代と若くして、うつ病と診断されている方は、一定の注意が必要と考えられます)
治療方針について担当医とご相談ください。

なお、ジプレキサは副作用も非常に少ないと言われている優れた薬ですが、
糖尿病をお持ちの方は服用することができません。
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公衆衛生推進委員大会

ブログでの報告が遅くなりましたが、
2月22日に南区役所別館にて開催された「南区公衆衛生推進委員大会」にて、
「うつ病を理解する-生きやすい社会作りのために-」と題した講演をさせていただきました。

公衆衛生推進委員とは、地域の中で街の美化や健康推進のための様々な活動をされている方々です。
ごみゼロ・グリーンウォークや平和公園の一斉清掃、
献血推進活動や健康教室の開催など、多くの実績があります。
広島市には4000人余りの委員の方がおられるそうですが、
当日は南区の推進委員の中から100名余りが参加されました。

皆さん熱心に聴講していただきました。ありがとうございました。

われわれ医師は、原則として病院に来られた方を援助することはできますが、
病気であっても、病院に来ることができずに悩んでおられる方に十分対応することができません。

内閣府では、自殺対策の要として「ゲートキーパー」を養成することに力を注いでいます。
「ゲートキーパー」とは、身近で悩んでいる人に気づき、声をかけ、話を聞いて、
必要な支援につなげ、見守る人のことです。
ゲートキーパーにはうつ病に関するいくつかの知識と心得が必要ですが、
決して難しいものではなく、誰でもなれるものです。

今回参加いただいた公衆衛生推進委員の方を中心に、
ゲートキーパーが地域に増えて、
こころの病気を持った人が生きやすい社会にしていきたいと思います。

「エビリファイ」躁症状の改善に効能追加

今まで主に統合失調症の治療に使用されていた抗精神病薬「エビリファイ」に、
「双極性障害(いわゆる躁うつ病)における躁症状の改善」の効能が追加されたことを受け、
当院に隣接する薬局と合同で勉強会を行いました。

双極性障害は、躁状態とうつ状態を繰り返す気分の波を生じる病気です。
単極性障害(うつ状態のみを呈する、いわゆるうつ病)と混同されやすいですが、
(実際うつ状態の時は、双極性障害と単極性障害を見分けるのは困難です。)
治療方針は大きく異なります。

躁状態の時は気分が高揚して、爽快な気分になる一方、
イライラしたり怒りっぽくなることがあります。
またいろんなアイデアが次々に頭に浮かびますが、
注意は散漫になって、一つの物事にじっと取り組むことができなくなります。
眠らなくても平気で、1日2~3時間の睡眠で活動しまくったり、
買い物など、急に多額の浪費をしたりすることがあります。

躁状態の時、患者さん自身は「調子がいい、絶好調だ」と感じていることが多いですが、
適切な治療を行わず放っておくと、必ずうつ状態に転じてしまいます。

エビリファイは副作用が非常に少ない薬剤と言われており、
しかも速やかに躁状態を改善することができる薬剤として期待されています。

現在うつ病として治療を受けられている方で、
過去に躁状態のエピソードに心当たりのある方は、
ぜひその旨を担当医にご相談ください。
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