高齢者不眠診療の治療戦略

福山市民病院精神科・精神腫瘍科 平 俊浩先生の講演を聴講してきました。

不眠に対して「まず睡眠薬」でないのはもちろんことですが、
特に高齢者の不眠に対する「適切な薬物療法」について学ばせていただきました。

従来から使用されている睡眠薬(「ベンゾジアゼピン系」と呼ばれるもの)は、
特に高齢者においては、せん妄(強い寝ぼけのような状態になる特殊な意識障害)や転倒の原因になることがあります。
とは言え、不眠を放っておくことは高血圧やうつ病など、様々な病気のリスクになることが知られているため、生活習慣や睡眠環境を適切に整えても眠れない状態が続き、日中の活動にも影響を与えるような場合は、薬による治療を検討する必要があります。

最近はメラトニンやオレキシンなどといった部位に働きかける、新しい作用メカニズムの睡眠薬が発売されています。
これらの薬は上述のせん妄に対して、むしろ治療的に働いたり、
転倒を起こしにくい(少なくとも転倒を増やさない)と言われています。

今は元気な高齢者であっても、将来的に身体疾患などでせん妄や転倒を起こしやすい状態になる可能性はあります。
そういった将来のリスクも見越した上で、これらの薬を上手に使用していくことが大切であるというお話が印象に残りました。

それにしても平先生は講演がとても上手。
初めてお話を伺いましたが、非常に分かりやすかったです。
自分が講演する際にも、平先生のようにできればいいなと思いました。
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山脇成人教授退任記念シンポジウム

広島大学精神科の山脇成人教授退任記念シンポジウムおよび祝賀会に出席して参りました。

山脇先生は1990年、36歳の若さで広島大学精神科の教授に就任(これは全国でもいまだに破られていない最年少記録だそうです)され、以後27年間の長きに渡り、多くの学生や精神科医(私もそのうちの一人ですが)の指導や各種国際学会の主催、最先端の研究などに従事してこられました。

シンポジウムでは「感性脳科学の産学共創イノベーションによる未来社会創造への挑戦 ~うつ病医療からワクワクするモノづくりまで~」とのタイトルで、共同研究をしている先生方や山脇先生とつながりの深い国内外の先生方による、これまでの研究成果や今後の展望についての講演がありました。正直私には難しすぎる内容もありましたが、広島で行われている最先端の研究の一部を垣間見ることができ、大変刺激的な機会となりました。

当院も平成23年度から平成27年度まで行われた脳科学研究推進戦略プログラム(通称 脳プロ)で、微力ながら広島うつ病研究に協力させていただきました。今後広島大学の特任教授、名誉教授に就任される山脇先生に引き続きご指導いただき、また研究に参加させていただける機会があればと思っています。新しい治療法や診断法の開発のため、当院に通院されている患者様にご協力いただくことがあるかもしれませんが、その際にはよろしくお願いいたします。

祝賀会は、同門の多くの精神科医のみならず、ウィーン大学精神科のKasper教授や国内の多くの他大学の精神科教授方、広島大学の他科の教授方、県内の主要病院の院長先生方から、山脇先生の学生時代のご友人や恩師の方々まで総勢約400名が参加し、盛会に終わりました。
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