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内科臨床談話会

内科医の先生方を中心とした勉強会からお招きいただき、
睡眠薬の適切な使用方法や上手な薬のやめ方について講演させていただきました。

日本人の2~3割に何らかの睡眠障害がみられると言われています。
よく「寝られなくても死ぬことはない」などとも言われます(それは確かにそうなんですが)が、
不眠は高血圧や糖尿病、心臓病などを悪化させる要因にもなり得ます。

そのため、一般内科などでも不眠を訴えられる方に対して睡眠薬が処方されることは多いのですが、
睡眠に関する適切な生活指導がなされないまま、安易に睡眠薬に頼ることになると、
睡眠薬がクセになる(依存する)結果になってしまうことがあります。

例えば、慢性的な不眠でお悩みの方は、眠れないのを補うため、
早くから布団の中に入ったり、目が覚めても遅くまで布団の中で過ごそうとする傾向が見られることがあります。
このように、あまりに布団の中で過ごす時間が長くなると、かえって睡眠が浅くなってしまうことがあります。

また、本来睡眠とは日中の活動をするために取るものですが、
不眠症の方は、夜寝るために昼の活動をするのだと、考えが逆転してしまうこともあります。

睡眠は8時間取るのが一番良いという、いわゆる「8時間信仰」なるものも存在しますが、
実際にその人にとって必要な睡眠時間はかなり個人差があります。
4~5時間でも十分という人もいますし、やはり8時間寝ないとしんどいという方もいます。
また年を取ると自然に眠りが浅くなったり、必要な睡眠時間自体が短くなります。
要は日中の眠気や体のだるさが生じなければ問題ないと考えられます。

適切な指導が行われても眠れない状態が続き、日中の活動にも支障を来す場合には、
薬を適切に使って治療を行う必要があります。
(睡眠薬代わりの寝酒は、かえって睡眠を浅くしてしまうのでやめた方が良いです。)

最近では、副作用や依存性が少ない、新しいタイプの睡眠薬も発売されています。
こういった最新の薬の効果的な使用法や、薬をだんだん減らしてやめていく時の注意点などを解説させていただきました。
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